エントリー

2013OSSC_safety.jpg

一昨日になりますが、大阪港湾合同庁舎内で開催された勉強会へ行ってきました。

昨年の
第1回OSSC安全ダイビング勉強会~
に引き続き、「勉強会」としては今回が2回目となります。

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冒頭で海保の担当の方から、管轄内で前年度に起こった実際のダイビング事故のご報告があったのは昨年同様。
(昨年は深刻な事故がやたらと多かった)

後半にはDANジャパンのディレクターさんから過去の事故分析のお話もいただきました。
(重大な事故において、海外では病気を原因とする割合が目立つが、日本では海水誤飲等をキッカケとするパニック要素による原因が大きな割合を占めるのだとか)

毎回そうなんですが、こういうディープな話を長々ときくと気分がかなり落ちます。

でも、経験を積むとともに大きくなる慣れというか「そんなことめったにおこらんって」とか「ウチの周りに限って~」といった楽観的な方向へ気持が向かないようにしてくれるイイ機会になってます。
どれも自分の周りで起こりうる出来事ですので。

さて、上記のお話を挟んで行われたのが主題の「勉強会」。

今回のテーマは、

「ボートダイビングにおける問題点」

私を含むダイビングショップやサービスのオーナースタッフ数名がパネラーのような形で前へださせていただき、OSSC会長が下記10項目についてパネラーや出席者へ問いかけながら主題について考察、勉強しようという試みでした。

1・ダイビングボートのタイプ

2・ダイビングのタイプ

3・ボートサービス側の装備品

4・サービス側のスタッフ

5・エントリーの方法

6・潜降の方法

7・潜降後

8・エキジット

9・ダイバーの準備器材

10・重要スキル(浮力確保、エアー切れ、ロストされたとき等)

会長の青山さんの意図としては、テレビ討論会でやってるような議論の飛び合いがあって、その中から出席者全員が色んな意見を吸収して今後に役立てよう、みたいな感じだと思うんですが、実際のところは会長の問いかけや質問に端的に答える...みたいな(特に私^^;)感じになってしまい、しゃべっていたのは大半が会長という結果でした。(上がり症で舌足らずの自分がとても恨めしいです)

とはいえ、多少なりともボート絡みの「実際の」出来事や対策、提案などがボートを出す側と乗る側両方から色々出てたので、かなり出席者の勉強にはなった(ハズ)と思います。

今回、テーマが「ボート」になったのは昨年の事故の殆どがボート絡みだったことからだと推測するんですが、我々の立場で「ボートダイビングにおける問題点」というテーマでいくと、どうしてもボートにこんな安全便利装備があれば!?とか、こういう判断をすれば!?といった、「潜らせる側」の設備やサービスの仕方の工夫みたいな方向へいってしまいます。

もちろん安全な方向へ向けて設備や環境など外的要因に対する最大限の工夫をするのは当然のことだと思うし、やれることはやっておくに越したことはないのは勿論のこと。

でも、それらの便利で安全性の高い装備や環境がいくら整ったところで、個人的には、現状のままでは事故は減らないように思う。

というのは、人間は便利なものが当たり前になるとそれに依存してしまい、その利便性を失った場合のことを想像したくなくなる。

ここ数日googleリーダーというニュースやブログ等のRSS情報を一手に収集して閲覧(read)できるサービスが、突然2013年7月1日をもって廃止されることになるというニュースが飛び交ってます。

私、どっぷり愛用者ですのでひっくり返りそうになりました... googleリーダーが出てくる前まではlivedoorリーダーや単純なrssリーダー等使い分けてたりしましたが、googleリーダーが安定してからは、その文句なしの利便性に完全に依存状態になってしまい、それが当たり前化してしまってました。 それが突然消えるとなると、同等の代替え方法が無いことに気付きます。(feedly等7月までに同等になってくれそうなサービスがありますが)。

コレなどは生死に関わらない大して需要なことでは無いけれど、海の中で潜るとなると話は違います。

最新設備の整った安全性利便性の高いボートでのダイビングが全てではなく、国や地域に寄っては手漕ぎのゴムボートの場合があるかもしれない。
最高の設備であっても不調トラブルにあうかもしれない。
ダイビング器材にしても、地域によっては当たり前に必要と思っていた道具が無いかもしれないし、自分の道具であっても突然壊れるかもしれない。
穏やかな海中だったのに、突然潮の流れにもっていかれるかもしれない。
等など、「かもしれない」を言い出したらキリがない訳で。

誰かもおっしゃってましたけど、ダイビングで100%事故にあいたくなければ、選択肢は「ダイビングをしない」という一択のみです。

となると、究極のところ最後の段階では自分の身は自分で守らなければ!! 究極にならないためにどうするのか!? となり、逆にいうと、「ダイビングをする限りいつでも事故にあう可能性がある」ということになります。

ダイビングは自己責任の遊びです。
加えてバディとしての責任も負うことになります。
何も責任を負いたくなければダイビングをしてはいけない。

意識として、ダイビングはまずそこからスタートする事なしにあり得ないと思うのですが、実情は「何かあればインストラクターが助けてくれるから大丈夫」という依存状態前提のダイバーが、私の観る限り大多数であるように感じます。

私が出会った極端な例をあげると、

「BCジャケットに空気を入れるボタンを押したことがないダイバー」
「フル装備で水面を移動したことが無い(出来ない)ダイバー」
「自分が使用する道具をセッティングしたことがないダイバー」
「フィンが使えず手だけで泳ぐ健常者ダイバー」

あたりがここ10年ほど毎年見かけます。
ちなみに、ブランクが空いて「忘れてる」のではなく「やったことがないor出来ない」ダイバーがいるのです。

これは体験ダイビングなら当然のことですが、全てCカードライセンス保持者でした。

この状態でCカードを受け取ってしまってるのも問題だと思いますが、教えてCカードを与える側の問題は重大だと思います。

ダイビング業界の事情や金銭問題、一時の温情、法律規制のないことなど色々考えられますが、基本的に、必要なことが出来ない状態でそれが出来る事前提の資格を出してはいけないはずです。

何故かというと、緊急事態に「対処できるかどうか」もありますが、緊急事態には「自分で対処出来なければ死ぬかもしれない」という”意識付け”に繋がるし、「どうやってそうならないようにするか」を自分で考えることにも繋がるから。

水中も水面も、陸上よりはるかに危険です。
でも、もっと怖いのは、他人依存によって心底水の中が安全だと思ってる人と潜ったりするとき、かもしれません。

ダイビングインストラクターは文字通りただの「インストラクター」であって、万能ではないということの理解も必要だと思います。

海保や消防隊の潜水隊のような救難の専門家ではないので日々救難訓練を積んだりしているインストラクターなんていません。
軍隊式の肉体訓練を受けたことがあるというインストラクターも数えるほどだと思います。

そんな他人に自分の命を丸投げしちゃいけません!
ということを講習で私はいつも口にしてます。

他人依存、環境依存が多いほどいざとなった時に死に繋がる可能性が高くなるという遊びがダイビングなのだと思います。
だから、いざということにならないように自分で考えて行動する、と、こういう方向にダイバーを育てるのがインストラクターである我々の努めであると思います。(ダイバーを育てる「インストラクター」という仕事と、ダイバーを楽しませて水中案内をする「ガイド」という仕事は本来全くの別物ですので、ダイバーの方もその辺も理解しておくべきだと思います)

ココら辺の大前提がおかしくなってしまい、「インストラクターが付いて助けてくれるから水の中でも安心!安全!」という考え前提で潜ったり、潜れることを勧めたり営業したりしている状況が激増してしまった、というのが今の「日本の」ダイビング事情のような気がします。

現代は、道具が発達したことで、講習内容から肉体的な苦痛になるものが軽減され、かなり楽に安全に潜ることが出来るようになっています。

これはイイ事ではありますが、かといって発達した道具が事故を皆無にしてくれた訳では無いのですし、自動作動で危機から救ってくれる訳でもないから、最先端のPADIの講習内容にもトラブル対処的な苦痛を伴う内容は残ってます。

この楽しくない部分をどう捉え、どう講習生に伝えて行わせるかの方向性如何によっては、全く違った意識のダイバーが生まれると思います。

言いたいのは、ボートダイビングの装備やテク云々以前の意識の持ちようだけでも随分安全になるんじゃないかということです。

本来ダイビングは未知の自然へのアドベンチャーなんですから。

次にもう一つ。

たぶん日本人特有(?)の考え方も「自己責任」化を邪魔してるように思います。

例えば、講習生に対してあるスキルや知識を教えている際、講習生が中々上手く出来ない状況があるとします。
ある程度の出来具合で次へ進もうとすると、殆どの日本人からは「苦手を(上手く出来てないけど)終わらせてくれてありがとう!」と感謝されます。
対して欧米の方などは「納得出来ていないのに進めないで下さい!きちんと教えて下さい」と怒られます。

これは、何に対して自分がお金を支払ったか?(支払う価値)における考え方の違いがよく出ていると思います。

日本人は、やりたいことに対してカードが必要だから「カードを出してもらう(手っ取り早く低出費で)」ために(=しないといけないから)お金を支払い、一方欧米の方(全員では無いでしょうが)は「カードに見合う知識とスキル向上」をするために(=やりたいことを覚えたいから)お金を支払う、という傾向の違いがはっきりみられます。

学生が何のために学校へいくのかに近いように思います。

義務教育は別でしょうが、学校へは学びたいことを学ぶために行ってこそお金を支払う価値があるのですが、行きたくないげど行くしかないから仕方なく行く!みたいな...いつからこんな情けないことになってしまったんでしょう...。たぶん明治維新や戦後あたりまでは今みたいな考えの日本人は少なかったのではと思ったりします。日本人として嘆かわしいです。 (学歴至上主義的なものも薄れてきていることですし、ココら辺で上手く教育改革がなされることを願うばかりです)

DANの先生の話によると、上にも書きましたが死亡事故原因としてアメリカ人は病気系が目立つのに対し、日本人は、口の中やマスクの中に水が入ったこと等がキッカケでパニック状態になって~...等が目立つそうです。

対処法は全部初期講習で習うことですし、十分あり得ることとして予測できることでもあります。

ブランクがあったりして「不安が強くなると呼吸が乱れる→苦しくなってマウスピースを唇で塞いでいられなくなる→口が開き鼻でも呼吸したくなる→してしまうと水が入ってくる」などのことは体験ダイビングでも説明し練習までしてもらっています。

潜る前に自分の精神状態について考察できたら、色々予測出来る事もでてくるはずです。
予測ができたらそうならないよう呼吸を整えるために無駄な動きを減らす等の対処をし、なった場合の時に備えて水が入ったらどうするかの復讐をするとかを予め考えておけばパニックの可能性は減らせると思います。

話を戻しまして、上記の現状日本人に対するお店側のサービスとして、出来ないことは程々にしてササッと進めると、お金を払ってる側の講習生から喜ばれます。
難しいことを程々にササッと進めるなら時間短縮になり、これまた講習生のニーズに合い喜ばれます。
また、難しいことに時間を奪れないのであればスタッフのストレス軽減や経費削減にも繋がり講習料金の低価格化にも繋がり喜ばれます。

Cカード取得講習に関しては、このようにお店側と日本人のお客様側のニーズがマッチし、さらに海外旅行も同時に出来てお得な格安パック!というのが日本人には一番人気のパターンではないでしょうか。

一方国内では、格安海外旅行パック系に乗っからずに残った国内ダイビング希望者や元々は希望もしない人達に対し、特に都心部に近いお店では、顧客一人当たりの売上を上げるための営業サービス努力を最大限行い高収益を狙わないと経営が成り立たない等、津々浦々の諸事情が絡みあってたりします。

かくいう当店もボランティアでやってる訳ではないので、ある程度経営の概念を持って仕事しないと成り立ちません(っていうか全く成り立ってはいないけど...)

何れにしても、ダイビングの安全を高めるためには、今の日本人的に考えると、Cカードライセンスが国家資格化されて、講習内容が法律規制されるのが一番手っ取り早い気がします。
情けない話、違反したら罰則を受けるのでちゃんとするとかやらない、という「せなアカンからする」「したら怒られるからしない」というのが日本人には一番マッチているようなので。

本当は根っこの意識改革が必要だと思いますがね。

私としてはコレまでどおり、諸事情に流されないようにいいダイバーを育てるためのインストラクションにベストを尽くしていきたいと思います。

久しぶりのえらい長文になってしまいましたが、最後までお付き合いありがとうございましたm(__)m

 

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※その他の掲載しきれなかった水中等の画像は写真集へ掲載しています。

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